ファイナル・シーズン

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一見普通の人間だが、実は様々な魔物が人間社会に溶け込むために姿を変えただけに過ぎないヴェッセン。その存在が見えるグリム一族の末裔、ニック・ブルクハルトはポートランド市警察の刑事である。ヴェッセンに恐れられるグリムだが、ニックの親友は狼型ヴェッセン“ブルットバッド”のモンローで、ヴェッセンが絡む事件では、モンローや彼の恋人でキツネ型ヴェッセンの“フクスバウ”であるロザリーも頼もしい協力者だ。ポートランド市警でのニックのパートナーであるハンクやウー巡査部長は人間だが、ヴェッセンの世界を知り、ニックがグリムであることも承知して公私でニックを支える。

ニックらの上司であるレナード警部は、魔女型ヴェッセン“ヘクセンビースト”と人間のハーフで、ヴェッセン界を統治する“王家”の長、フレデリックを父に持つが、庶子だったゆえ王家からは母共々冷たくされた恨みから、反王家のレジスタンスに協力する。ヴェッセン絡みの殺人事件でニックらと知り合いになったトラブルもグリムで、ニックがアダリンドの策略でグリムとしての能力を失った際には、ヴェッセンが関与した事件の捜査を助力する。トラブルは、魔術の副作用でヘクセンビーストになってしまったニックの恋人ジュリエットがニックを殺そうとした際、ニックを助けるためにジュリエットを殺すが、ジュリエットの遺体と共に、政府の秘密組織HW(”ハドリアヌスの長城”)に連れ去られる。

HWが闘っていた相手は、“黒き鈎爪”と呼ばれるヴェッセンのグループで、ヴェッセンが人間を支配する世界の構築を目指していた。HWはグリムであるトラブルをリクルートすると同時に、ジュリエットを蘇生させた上、強力な戦力となるイヴに生まれ変わらせる。

一方、ニックとモンローがドイツから持ち帰ったグリムの祖先の遺した箱の中には古ぼけた“棒”が入っているのみで一同をガッカリさせるが、その“棒”は驚異的な治癒力を持つ特別なものだったことが判る。

その頃、黒き鈎爪のリーダー、ボナパルトは、レナードの野心を利用し、ポートランド市長にさせて、政界へコネをつけようと画策。政治家としてのイメージアップのために娘ダイアナと共にレナードの家族のふりをするよう命ぜられたアダリンドは、一緒に息子ケリーをもうけたニックを愛するようになっていたため一旦は拒否するが、ザウバービーストであるボナパルトのパワーで無理やり服従させられる。黒き鈎爪はニックらの攻撃を強め、ニックたちは隠れ家にしていたロフトで急襲される。ニックは皆を秘密のトンネルから逃がしてヴェッセンたちに立ち向かうが、その1人に撃たれてしまう。撃ったヴェッセンはボナパルトにニックの死を報告。ボナパルトはレナードと共にロフトにやってくるが、黒き鈎爪は全滅。死んだはずのニックがそこに立っていた。ニックは懐に入れた“棒”のおかげで死なずに済んだのだった。強力なパワーでニックに襲いかかるボナパルトを、背後にいたレナードが剣で刺す。母アダリンドを痛めつけたボナパルトに復讐すべく、ダイアナが父のレナードを遠隔操作してボナパルトを殺させたのであった。腑に落ちない表情でレナードが去ると、ニックはトンネルに降り、驚く皆と再会する。

ロザリーとモンロー、それにイヴはスパイス・ショップを襲撃してきたヴェッセンの死体を片付けていたが、イヴが持ち上げようとした死体の腕がいきなりイヴの腕を掴む。その瞬間、イヴは死体が自分を暗い渦の中に引きずり込む光景を見る。その死体には奇妙な図柄が描き込まれていた。その図柄は、トラブルがダイアナに“棒”を包んでいた布を見せた際、ダイアナが見たものと同じだった。

署に戻ったレナードは、署員たちにニックがボナパルトを殺して逃げていると告げ、ニックを逮捕するよう命じる。逮捕に抵抗した場合は射殺しても構わないとまで言うレナード。追っ手にわからないようにと、ニックらはバドの家にかくまってもらうことになるが、間もなくバドの家は警察に包囲されてしまい……。