シーズン4
第15話「ダブルデート」DOUBLE DATE
バーで出張中のビジネスマンが夫に捨てられたというステイシーと知り合い、直後に殺される。死因は壊死性筋膜炎を引き起こす人食いバクテリアと同様の寄生性酵素による窒息で、ヴェッセンの犯行が疑われる。一方レナードは撃たれた夢を繰り返し見てうなされていた。
フンタ・ラミ・ムアジ
「雌雄同体の殺人者」という意味を持つヴェッセン。サナダムシのような寄生虫状の形態で、ヌメヌメした肌色の皮膚をしている。頭髪や体毛はなく、全身が液体に覆われて濡れている。皮膚の表面から酵素を分泌し、寄生相手の皮膚を溶かし分解することができる。雌雄同体、ヴォーガで性転換する。ヴォーガの後はどちらにも戻れる。他のヴェッセンと違いフンタ・ラミ・ムアジがヴォーガした姿はグリム以外の人間でも見えるが、その姿を見て生き延びた者はいない。記録は1917年にまで遡り、かつてフンタ・ラミ・ムアジに遭遇したグリムはフンタ・ラミ・ムアジが雌雄同体であることを知らず、常に男女１組で移動すると見ていた。男は極めて危険なため、すぐに首をはねる事が望ましいとされ、常にヴォーガした男を始末していた。そのため女の捕獲・退治例がなく、またその危険性からグリムですら及び腰で情報収集が進まずこれ以上の事は判明していなかった。ヴォーガの最中はホルモン的に中性のようなので、筋肉増強剤と同じ要領でテストステロンを投与し、性別を男に固定してから捕獲する。クロスボウにホルモン剤を詰めた特大の矢をセットし、直接撃ち込んで投与することで、近づくことなく捕獲できる。
「ヘルマプロディートス」『その姿は 女性のようにも 少年のようにも見えた』
ギリシャ神話で、オウィディウスの『変身物語』第4巻に登場する。「雌雄同体」を意味する "hermaphrodite" という語の語源でもある。父はヘルメース、母はアプロディーテーであり、稀に見る美少年だったが、カーリアの森の泉で泉の精ナーイアスの1人であるニュンペーのサルマキスに出会う。サルマキスは彼を誘惑するが彼に断られ、そこを立ち去る。ヘルマプロディートスは誰もいない泉に入って水浴びをするが、木の陰に隠れていたサルマキスが不意に泉に飛び込み、彼を抱きしめてキスをした。ヘルマプロディートスは抵抗したがサルマキスは神々に自分とヘルマプロディートスを離れ離れにしないでほしいと訴え、その願いが聞き入れられてしまった。二人の体は融合し、雌雄同体となった。ヘルマプロディートスはたいへん悲しみ、この泉の水を浴びたものは皆、自分と同じ体になるように泉に呪いをかけた。
